東京高等裁判所 昭和57年(行コ)282号 判決 1983年3月30日
控訴人(原告) 選定当事者 宮川淑 外一名
控訴人(原告) 立崎誠一 外一名
被控訴人(被告) 中央選挙管理会
訴訟代理人 都築弘 山田紘 外二名
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実
控訴人らは、「原判決を取り消す。本件を東京地方裁判所に差し戻す。」との判決を求め、被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の主張及び証拠の関係は、証拠の関係を次のように改めるほかは、原判決の事実摘示(原判決三枚目表三行目から九枚目裏六行目まで)と同一であるから、これを引用する。
控訴人らは、甲第一ないし第九号証(いずれも写)を提出し、被控訴代理人は、右各号証の原本の存在及び成立を認めると述べた。
理由
一 当裁判所は、控訴人らの本件訴えは不適法であるからこれを却下すべきものと考える。その理由は、次のとおり付加し、訂正するほかは、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。
1 原判決一一枚目表七行目から八行目にかけての「原告らに特有のものではない。」の次に「したがつて、本件訴えは選挙権及び被選挙権を有する国民全体の一般的利益にかかわるもの、すなわちこれを個人の側面からみることとしても、各個人が選挙権又は被選挙権を有する国民の一人として他のこれら国民と全く同様に共通して有する利益にかかわるものであつて、控訴人ら固有の権利又は法律上保護された利益に基づくものということはできず、選挙権及び被選挙権を有する者という資格に基づいて提起されるものといわざるを得ないのである。」を加える。
2 原判決一五枚目裏二行目の「国民ないし市民」を「国民、一地方の住民又は一定の資格を有する者等一定範囲の者」に改める。
二 よつて、本件訴えを却下した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、行政事件訴訟法七条、民訴法三八四条に従いこれを棄却することとし、控訴費用の負担について行政事件訴訟法七条、民訴法九五条、八九条、九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 貞家克己 近藤浩武 渡邉等)